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映画の徒然メモ。他サイトでのログを移植中
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実は劇場公開時から観たかったのをようやくDVD観賞。何かもう当時『イーオン・フラックス』以上に他人を誘えない映画だと思っていましたがうわぁ正しくB級。これはやはり大画面で見るべきだったかもしれん、と思いつつ、劇場で観たら間違いなく致命的(私にとって)なシーンもあったので結論は悩みどころです。まあ、いくら悩んだって今更劇場で観れやしないんですがね。

あらすじ>>>
西暦2055年、人類はタイムトラベルを可能にしていた。シカゴの大手旅行代理店タイム・サファリ社では、6500万年前にタイムトラベルして恐竜狩りを楽しむという人気ツアーを主催していた。地球の歴史が変わらぬよう、ツアーは厳格に管理されていたが、ある時、ツアー客の一人が気づかぬうちにごく小さな何かを過去から持ち帰ってしまったため、地球上の進化が大きく狂ってしまう。それはタイム・ウェイブ(進化の波)として地球に押し寄せる。最初に異常気象が引き起こされ、続く波で巨大植物の異常繁殖、さらには未知の巨大生物まで出現する。そして最後の波が来たとき、人類は滅亡してしまう。それまでに残された時間はあと僅か。はたして、人類はこの未曾有の危機を乗り越えることができるのか?


[オススメするタイプ]
・アイラブB級SF
・未知の生物とかが好き
・理屈じゃなくパニックアドベンチャーを楽しみたい

[オススメできんタイプ]
・B級SFが嫌い、興味ない
・タイムパラドックスとかがえらい気になる
・恐竜が嫌い
・レイ・ブラッドベリの大ファン

まずこの映画を楽しむためのルールその1、「ブラッドベリ原作だということを忘れろ」。ルールその2、「ブラッドベリ原作だということを必ず忘れろ」。ファイトクラブよりも(ある意味)大事ですよ。
原作を読んでいない人は、そのまま楽しめるかと思いますが、原作を読んで「ワーイあれの映画化!」と思ってるとすべからく痛い目を見るでしょう。つか、「え…?おい、ちょっと―――あれ?」みたいな。本当にこれは原作とか映画化とか言わずに、「アイディア借りました(てへv)」くらいで済ませるべきだったと思うな僕。原作も映画も損をしてる。ブラッドベリのファンは前述どおり肩透かしだろうし、映画を気に入ってわざわざ本(「太陽の黄金の林檎」ハヤカワ文庫)(超名作短編集)を買ったら「これだけかよ!」と拍子抜け。まあそれくらい別物ってことです。原作って言うんじゃねぇ!!という怒りが込み上げるまでは至らないけれど。あら随分とお優しいですわねポアロさん!ノンノン、ミス・レモン、その怒りは『アイ・ロボット』にこそ相応しいのですよ!

それはともかく。

結構役者は揃ってる。主役に相変わらず苦悩と怒りのミックス顔なエドワード・バーンズ、タイム・サファリ社の社長にベン・キングズレー。演技対決!とかも出来そうなのに、この題材じゃ無理なところ。
というかキングズレーさん、ヅラです。見事なまでにヅラ。相乗効果で胡散臭いの何のって、本編内で詐欺師だの何だの言われてますが、そもそも何でここまで胡散臭い奴の口車に乗るのか。役の造形なんぞステレオタイプなものしか与えられてないでしょうに、そこはさすが名役者と言うべきか。

そして、この手の映画では影の主役であるCG。冒頭の恐竜狩りのシーンから、タイム・ウェイブによって出現する未知の巨大生物まで、最後まで欠かせない存在ながら―――うーん…がんばったで賞、かな…なのが惜しい。何でもこの映画、ロケ先で洪水に見舞われるわセットが壊滅するわで、制作費100億円!と宣伝してても全部が全部映画製作に使われたんじゃないわけだ。それでも日本の特撮に比べれば格段の差なのだけれど、ところどころで「あ、惜しい」と思わせてしまうのがB級SFに留まっている一要因なのでしょう。
出てくる未知の生物は、当然だろうが「今現在本当にいる生物」にどこか似ている。一番大活躍のケモノは、どう見てもトカゲとマンドリルを合体させたような愉快なお顔をしていた。
(確認しようと思って公式サイトを探したらもう閉鎖されてたよDVD出たばっかりだろオイ!)

しかし。
本作の目玉は、このマンドリル君たちではない。
鳥モドキ(出てくる)や海蛇モドキ(出てくる)でもない。

進化がイカレていく様子は、タイム・ウェイブという原作にはない表現で描かれていてこれが秀逸。映像が文章を凌駕するのはこういうことが出来るからだな。
つまり6500万年前に何かをしてしまったことによって、その影響が波紋のように徐々に現代に押し寄せてくるわけだ。第一陣では気候が変わり、第二陣では植物が変わり―――という風に、進化が単純なものから複雑なものへと影響する、という設定。ほとんどDNAが一緒なんだからよくわからないが、人間は一番最後のタイム・ウェイブで変化する=それまでは影響がない。
毎度おなじみの極限状態で、その最後の波がやって来る数秒前まで、主人公たちは「世界を元に戻す」ための努力を強いられる。仲間は一人倒れ二人倒れ、ついに最後の波がやって来る―――!!

で、その波が去った後。
[世にも奇妙な生物]が、[ヒロイン]のいた場所に立ち尽くしている。

えええええええ!!?

猿と言うより失敗したグレムリンの爺さんみたいなんですけど、これ。
これが[人類のもうひとつの進化後]なんですか!?
この驚愕のイキモノこそが、本作の目玉だと言っても過言ではありません(本気ですか)これだけでも見てほしいよ!最初に「映画館で観たら致命的」って言ってたのはこのイキモノのことですよ。こんなの観たらどんなに堪えても吹き出す自信だけはあるよ私。「ぐはっ」て劇場内に響かせるよ!

この衝撃シーンの後は、可もなく不可もなくお約束のエンディングへとなだれ込む。めでたしめでたし、とパターンで終了。もう一波乱あってもいいと思うけどなァ。[最後にこっそり6500万年前に行った社長かお目付け役人が、今度は違う虫を踏み潰してしまう]とかね。

とりあえず何も考えずに楽しめばまずまずの作品。
皮肉も隠喩も象徴も何もない。ただ、気楽に観られるエンターテイメントとして合格の作品でした。監督は頑張った。
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