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映画の徒然メモ。他サイトでのログを移植中
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何と言うか、人間月日が経つと変わるもんだと言うか…。初見時の感想を読み返したら、「ウルヴァリンはカッコイイんだろうけどもみあげがどうも駄目だ」と毛・否定論が書いてあってオレ様愕然。毛こそ男のアイデンティティーじゃないか…!(それもどうか)いや、今もそれは新種のガーデニングですか?と問いたくなってしまうほどの胸毛はあまり好きにはなれんのですが、でも毛いいじゃない毛。何よりもみあげのないウルヴァリンなんて、ただのヒューですよ。

あらすじ>>>
人間社会から忌み嫌われているミュータントたち。「ミュータント登録法案」が成立するのを恐れているチャールズ・エグゼビア教授は、人類とミュータントの共存に希望を持っており、X-メンというミュータント・チームを組織していた。それに対抗するのが、ミュータントが人類を支配すべきだと主張するマグニートー。そんなある時、カナダでミュータントの少女ローグと、彼女を助けた謎のミュータント、ローガンを、マグニートーの手下が襲う!


[オススメするタイプ]
・派手な超能力ウォーズが見たい
・ステキに枯れたおじいさまが見たい

[オススメできんタイプ]
・SF嫌い
・アメコミ嫌い
・話を引っ張られるのが嫌い

廉さんアメコミ映画化ってやつにとてつもなく弱いの…と、のっけから自分の性癖を(性なのかよ)晒してみる。受け付けない人はばっさりと切り捨ててしまうだろうこのジャンル、もうアメコミってだけで点が甘くなる。楽しければいいじゃないのだって好きなんだもん!と言いたくなる。

しかし、これは予告編か?と思ってしまうのもまた事実。面白いんだけど、続きも気になるんだけど、いいんだけど、なんかすべてが中途半端。オイシイところは全部小出しにして「はーいあとは次回のお楽しみ!」とやられたような気分になる人もいるのではなかろうか。
しかしこれだけの時間でメインキャラ出してその説明して、関係わからせて次回へ続く、とつなげなくてはならんので、これは仕方ない。そしてネタは次回に持ち越し!な部分もあったけれど、ブライアン姐さん(※監督)はよくやった。

監督がゲイだからどうこう言うつもりはまったくなくて、当然のことながら、ゲイだろうがヘテロだろうがバイだろうが、監督ならば作品がすべてだ。でもブライアン姐さん―――この呼び方は蔑視のつもりじゃなくて、むしろ愛情込めた愛称のつもりなんだが―――が撮ったことで、いっそう浮き彫りになったものがある。すなわち人間(「まっとう」なマジョリティー)VSミュータント(「まとも」じゃないマイノリティー)、ヘテロとゲイの隠喩に見えるわけだ。というよりそのまんまか?少数派である監督が、少数派であるミュータントの描写に、この隠喩を持ち込んだことはありありと見て取れる。
そしてそれは、穏健派のプロフェッサーと過激派のマグニートーの関係に集約されている、と思う。腐女子とか腐男子とか萌えとかそんなの置いといて、二人のリーダーの関係は深く複雑で、言ってしまえばとてもエロティックですらある。かつての盟友、共に迫害された者、助け合ってきた者、決別した相手。これはまた、マグニートーを演じるサー・イアンがカミングアウトしたゲイであることも、そう見える一因なのかもしれない。たぶんサーは、二人の間に「かつて確かに存在した愛情」を計算して演技しているのではないかな?とすら思う。サーが演じたからこそ強化された面は確かにあると思うが、マグニートーにはそもそも原作からしてゲイ的な感情(プロフェッサーへの)を感じて止まない。

ここでキャラクター。ローグことアンナ・パキン…大きくなったな!冒頭のボーイフレンドとのキスシーンでそう思ってしまった俺っていったい…近所のオバサンのような反応をしてしまった。あの子がこんなに成長を!
もともと演技力はある子なので、キーパーソンになるローグに配したことは大正解。混乱し傷つき、でもしたたかに生きていこうとする少女→女の逞しさよ。ローガンとの擬似親子と男女愛が入り混じった関係もお見事。

でもってペケメンリーダー・サイクロップス。普段は目を隠しててちょっと残念だけど、後半で出た顔は可愛かった!のだが、まあこれは原作でもそうだが…影 が 薄 い。ローガンに対する言動が、思いっ切り子犬が狼にキャンキャン咆えてるみたいで大変微笑ましいのだが、少なくともリーダーっぽくはない…な。次回に期待したい。
そのリーダーの彼女、ジーンを演じるファムケ姐さん…年取ってきたなサイクとの練習風景が、「ほーら取ってらっしゃい!(フリスビー投げ)」「わーい!」ってな、飼い主と犬に見えたのもご愛嬌。どうも付き合ってるようには見えんのだが、まあいいや。
しかしあの三角関係必要か?映画的にロマンスが必要だってのかもしれんが、だとするとどう見ても今後サイクの運命は明るくない気がするぞ。

でもって、この人の能力は上手く使えば最強なんじゃね?と思ってしまうストームにはハル・ベリー。主演だったキャットウーマンより数百万倍こっちの方がいいです。まあ主演じゃないから目立たないけどさ。

この三人に嫌々ながら仲間入りするローガンは、原作と違って背は高いわカッコイイわ!原作どおりのローガンは役者探すの結構大変だろうが…中の人が普段どれだけ能天気か知っていると、眉間に皺寄せっ放しなのがギャグにさえ思えてきますが、相変わらずイイ身体してますな!にしては結構ヤラレキャラだけどな。
熱望していたというキアヌ・リーブスじゃなくてよかった。キアヌの顔にあのネコミミと(違う)もみあげが…!と思っただけで3日は思い出し笑い出来るんだぜ。そんなこと言ったらサイク役はトム・クルーズが希望してたってネタもあるんだぜ。目を隠したらトムさんスマイルが半減ですよ!(別に見たいわけじゃないが)

で、敵役は―――ちょっとチャチい。
親玉のサー・イアンはさすがの貫禄でそこに痺れる憧れるゥ!!なんですが、他はちょっと…セイバートゥースは頭の悪いヒマラヤの雪男もどきペットにしか見えんかったし、トードは舌が伸びるダース・モールなだけだしな。敵がよくないと戦いは面白くない。ちょっと二人が捨て駒すぎて残念だ。
対して、こいつさえ部下にいればいいんじゃね?と思ってしまうほど大活躍だったのがミスティーク。全身が青ウロコだろうとこれはあなたセクシーすぎますよ…!!出し惜しみしないどころかほぼ全裸に等しいので、プロポーションが余す事無く拝めて大変男性諸君はご満悦でありましょう。マグニートーと並んでニヤリと笑うところは、女って怖ぇ!!と戦慄しましたとも。二人とも美人だしな!(正気です)(そして本音です)

多数派が少数派を恐れ、排除しようとするのは世の常だ。それはフィクション世界でも変わらない。だってノンフィクションの世界がそうなんだから。
そういう苦悩をミュータントという立場で表現したブライアン姐さんは、言ってしまえばやはりマイノリティーの立場で物事を発信する人なのだろう。だからこそこの映画は、娯楽作なんだけど「マイノリティーとは何だ?マジョリティーとは何なんだ?」という問いが散りばめられている。単に娯楽的に楽しみたい人には、その部分は余計だったかもしれないけど―――でも、ブライアン・シンガーが撮る以上なるべくしてこうなった映画。次回にも期待したい。

しかしスタン・リーは本当に必ず出るな!
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