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映画の徒然メモ。他サイトでのログを移植中
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正直私は母国語で歌われるミュージカルが苦手だ。申し訳ないが、タモさんが以前言っていたように、「何で死ぬ直前までキレイにハモってんの?」という部分が先に立ってしまう―――日本語では。これはもう、英語マンセー!ということではなく、私の中でミュージカルは日本語ではないのだから仕方ない。シリアスであればあるほど駄目なのが、自分でも惜しい。
本場のミュージカルは好きだ。だから映画化されれば必ず観てしまう。これは映画化ではないけれど、コーラスラインを基本的なことしか知らない私でもぐいぐいと引き込まれてしまう、ふたつの意味で真実の物語。

あらすじ>>>
トニー賞9部門制覇、6137回の公演、664万人の観客動員、15年のロングラン記録。伝説のミュージカル「コーラスライン」16年ぶりの再演。ブロードウェイの頂点を目指し、8ヶ月におよぶ苛酷なオーディションを勝ち抜いていくダンサーたちの生の姿を追う。

[オススメするタイプ]
・ドキュメンタリーは好き
・何かを「創造」するのはすごいと思う
・あんまりよく知らないけど、それでも興味あるかな…?

[オススメできんタイプ]
・トニー賞?コーラスライン?まったく興味なし。
・ていうかミュージカル嫌い。

1974年1月26日―――ニコラウス・エクササイズ・センターにダンサーたちが集まりオープンリールテープを前に語り始める。
コーラスラインの生みの親、マイケル・ベネットは語る。「ミュージカルを作りたい。ダンサー達の物語だ。タイトルは、『コーラスライン』」
歴史が動くときには、人間の方が何かの歯車に引き込まれ、突き動かされているように感じることがある。後々歴史の教科書や、何かの年表に載ればたった一行で済むような出来事になってしまうけれど。きっとその日、テープを前に語った人達は歴史の動きを感じただろう。自分の人生が舞台になった、オリジナル・キャスト達はもちろんのこと。

コーラスラインは、曲を聴けば誰もが知っている筈。とある舞台のためのオーディションの話だ。役を得るために自分の人生を語り出すダンサー達の話。だからこそ、2006年の再演のとき、オーディションを受けにやって来たダンサー達もまた、口々に「これは自分の物語だ」と言ったのだろうと思う。

カメラは淡々と映し出すだけ。落ちていく人達、勝ち残る人達。何処かで見たことあるなと思っていたら、舞台版『シカゴ』に主演して、映画版にも出ている女性だったりする。キャリアを積んだ人も、まだ新人の人もいる。顔の見分けもつかないかもしれない。あれ、この人さっき踊ってた人?違う?この役は誰?と混乱してしまうかもしれない。『コーラスライン』のストーリーを知らないから、そのオーディションを見ても楽しめないと思うよ…と考えるかもしれない。

でも、真実というのは面白い。そして容赦ない。すべからく現実、そして物語。

オーディションを受ける日本人女性がいる。彼女は英語にダメ出しをされるが諦めない。正直あなたは代役候補だと言われる女性がいる。それでも彼女は踊り続ける。何でもない歌のシーンで、ダンスのステップで、泣けてしまうのは、これがドキュメンタリーだからだろう。

オリジナル・キャストのバイヨーク・リーが今回の振り付け担当。正直ぱっと見は太ったおばさんだ。この人が振り付け出来るんだろうか…いや、自分は本番で踊らないとはいえさ…と一瞬思う。彼女が振り付けし出すシーンを見るまでは。何てパワフルなんだろう!何て素晴らしいんだろう!オリジナル・キャストを見た興奮ではない。彼女が「現役」なことに感動した。

マイケル・ベネットはもうこの世にはいない。このフィルムは彼に捧げられている。
再演のときに、初演からのパートナーが呟く。「きっと喜んでくれる。よく再演してくれたって」重くて爽やかで、それだけでもう素晴らしい。
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